一足早い、春の兆しを感じるフランス生活3ヶ月目。
この1ヶ月間は出張であっという間に過ぎていきまして、いろんな出会いがあった本当に春のような日々でした。七尾市の店舗では断水が解消されまして、無事通常メニューが提供できるようになりました。
カフェとしてはクラウドファンディングでご支援頂いた基金を元に、今後とも復興カフェと復興紅茶(200円)は続けておりますので、ぜひお近くにお立ち寄りの際にはお越し頂けますと幸いです。
こちらフランスでは7年ぶりのパリ出張やブルゴーニュのワイナリー訪問など、新たな展開もありまして刺激的な1ヶ月となりました。
「Millesime Bio (ミレジム・ビオ)」でビオワインを知る。
Millesime Bioとは、南仏モンペリエという街で毎年開催されるオーガニックワイン(ビオワイン)専門の見本市のこと。
南フランスやラングドックを中心に1500軒以上のワイナリーが出展するということで、今回は名古屋でワインインポーターを経営されているトマさん (Apogee Wine)が来仏(というか帰省)されているというご縁で、連れて行ってもらいました。
広い展示会場が6つくらいありまして、それぞれを行き来するだけでもかなり歩かなければいけないほど。
ビオワインもここまで大きなマーケットになるとは…フランスというかEUの環境規制への意識の本気度が違います。それでも、名ばかりのビジネスオーガニック(グリーンウォッシュ)もかなり多いと言いますので、消費者側がよく学ぶ必要があると言えそうです。
結局のところ、農家が丹精込めて作っているかどうか、という点が重要だと感じます。その背景として環境に負荷を与えないとか、農薬を使わないとか、様々な手段があるわけで、ビオラベルを取得することが目的になってはいけないはず。その点で、生産者に直接会って、考え方を聞けるのは貴重です。
そして、肝心のクオリティはますます高まっているのは確かで、おそらくほとんどの人が慣行農法との違いを指摘するのは難しいでしょう。慣行農法のワインとの価格差がほんのわずかだとすれば、ビオワインへの消費者の移行は間違いなさそうです。
フランスの農業界をリードするワイン業界。その最先端たるビオワインの見本市は、とても良い勉強になりました。(美味しいワインをたくさん試飲しました…)
「Château de la Greffière (グレフィエール)」を見学
その2週間後、今度はブルゴーニュのワイナリー訪問です。トマさんに再度お声を掛けてもらって、初めてのマコンへ。ブルゴーニュ地方の中でも南端に位置するワイン産地マコン。シャルドネなど白ワインの名産地として知られています。
そんなマコンで創業100年を迎えたワイナリー「シャトー・ド・ラ・グレフィエール」の100周年のお祝いパーティーです。
ワイナリーとしては1585年創業ということで400年以上の歴史がありますが、現オーナー一族に経営が変わってからちょうど100年ということで、いかに歴史を大切にシャトーの名前を継承しているか、ということを感じます。
そして、この日は素敵なサプライズも!
3時間以上に及ぶランチの後、なんとトマさんがマコンのサンヴァンサンワイン騎士団のメンバーになるという入会式も開催されました。儀式というか、大きな盃になみなみと入れた白ワインを鐘が鳴っている間に一気に飲み干すという入会式はユニークでした。
なかなかワイナリーで飲む経験というのはフランスにいても貴重なのですが、そんなワインが日本でも購入できますので、ぜひこちらもご覧くださいね!
トマさんのワイン輸入会社
Apogee Wineの公式サイトはこちらから。
7年ぶりのパリへ。
ニースからパリへ向かうと季節がひとつ巻き戻されたような気がします。首都パリに前回来たのは2017年2月のこと。当時25歳、起業3年目のことでした。
パリの薄暗い雰囲気と、灰色の空は7年前と変わらず寒々しく感じます。それでも街の中へ繰り出せば、カフェの暖かそうなネオン、美しい街並みにうっとり。やはり街並みだけはフランスの中でも別格です。
仕事の合間に撮影した虹。
今回は、きっちり予定が埋まっていたので、スナップの街歩きが出来ず、このくらいしか写真がありません。久しぶりのパリで、虹を見るとは幸先が良いのでは?と思って嬉しい瞬間でした。
パリには沢山の日本人がいらっしゃいまして、今回のパリ出張でも何人かの方にお声がけしてお話を聞かせてもらいました。日仏の国境を跨ぐお仕事は、楽しくてやりがいがあるけど、やっぱり難しいというのは皆さんの共通事項。文化の違いや価値観の違いを乗り越えるのは簡単ではないようです。
「植物の香りを愛でる」というひとつの行動を取っても、フランスと日本では大きく違うように、食文化にせよファッションにせよ、それぞれの分野での苦労があるように感じます。
それでもフランスにしかないものを求めて、パリでは日々チャレンジしている日本人が沢山いるということに僕は勇気づけられました。
出張から戻ると、ニースはすでに春。
ヨーロッパ三大カーニバルのひとつであるニース・カーニバルが始まりました。ありがたいことに、ご縁あって売り切れていたカーニバルの観覧チケットを入手することが出来まして、初めてのカーニバルを楽しんできました。
パリのビジネス街とはまるで正反対なラテン気質あふれる陽気な音楽と踊り、そして、お祭り騒ぎの観光客の人の波。本当に同じ国にいるとは思えないくらいの違いです。
僕にはやっぱり南仏の空気が合うらしい。太陽の明るさと、人生を楽しむライフスタイル「アール・ド・ヴィーヴル」が、南フランスにはあります。
この陽気な空気を少しでもラベンダーの香りに乗せて、日本までお届けしたいと思う、フランスの中でも最も早い春でした。