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【金子竜得写真展】カメラ歴12年目で初写真展を開催することになった話

2023年7月、5年ぶりの南フランス出張をしました。

コロナ禍でずいぶん遠い国になってしまったフランス。さらに、ウクライナ危機でロシア上空を飛行機が飛ぶことは許されず、北極圏を通過する「遠回り」を余儀なくされました。フライト時間は合計17時間。ドイツ・フランクフルト空港での乗り継ぎを含めるとほぼ24時間の移動です。

今回、ラベンダー農園での買い付けや商談のほか、新ブランドの交渉など2週間の滞在は超過密スケジュール。そんな中で、写真展を開催すべく、南フランスを象徴するような写真を撮影してきました。

「2つの海」をテーマにした日仏の色彩の違いを感じる

初めて開催する個展ということで、テーマを考えました。

お店のコンセプトとしても掲げている「日本海と地中海の交差点」。これを写真展のテーマにしました。七尾と南フランスという2つの街に縁あって活動してきたこれまでの自分の考えや想いを、できるだけフラットな状態で伝えたい。

そんなわけで、海のある2つの町を中心とした構成を考えました。

『千里浜の印象』 ©︎RYUTOKU KANEKO
『ニースの青』 ©︎RYUTOKU KANEKO

改めて、和の色、洋の色というのが浮かび上がります。どちらも落ち着いたパステル色でありながも、和の色は少し燻んだような灰色が感じられますし、洋の色は白を混ぜたような明度の高さがあります。

もちろん撮影段階からこの違いを意識しながら撮影をして、現像段階でさらに際立つものに仕上げています。

「商店街」をテーマにした七尾と南フランスの街並み

『ななお商店街群① 一本杉通り商店街』©︎RYUTOKU KANEKO
『ななお商店街群② 七尾駅前通り商店街』©︎RYUTOKU KANEKO
『ななお商店街群③ 東部商店街』©︎RYUTOKU KANEKO

七尾市駅前通り商店街に店舗を構えて8年が経ちました。カフェを設立して2年。これまでの七尾市中心部を眺めて、改めて七尾市の市街地の空洞化が加速していっていることに気が付きます。人口減少の歯止めは効かず、地方都市の衰退ぶりが顕著にわかるほどになりました。

中心市街地の3つ商店街を撮影した組写真。400mmの超望遠ズームレンズで圧縮効果をもたらすと、道はぐっと短くなったように感じます。実際には500mほどの距離の商店街ですが、あえて人を写さずに撮影しました。

城下町七尾ならではの直線的な道は、前田利家が小丸山城を築城して以来の歴史を感じさせます。

『カンヌのテラス席』©︎RYUTOKU KANEKO
『豪奢な商店街』©︎RYUTOKU KANEKO

フランス文化とイタリア文化が混ざるコートダジュール。リゾート地として栄えたカンヌは国際映画祭の会場としても有名です。人口は7万人ほどですが、街はコンパクトで中心部は歩いて回れるくらい。

レストラン通りは無数のテラス席が並んでおり、開放的な食事の時間を楽しみます。みんなテラス席が大好きなので、店内のテーブル席はだれもいません。目抜通りには様々なブランドのショップが並び、セレブや観光客が闊歩し、スーパーカーが控えめなエンジン音を鳴らして通ります。偶然なのか、街ゆく人は白い服を着ているのが目立ちますね。建物も白っぽいのが多い印象です。

初めて写真展を開催してみた感想

『ニースの夕暮れ』©︎RYUTOKU KANEKO

近年、SNSの普及でことさらカメラの注目度が高くなっているのはみなさんご承知の通り。

今回、写真展を開催するにあたって気をつけたことは「美しくなりすぎない」ということ。どうしてもSNSの場合は、彩度が高かったり、高精細だったり、風景においてさえ非現実的な加工写真が、いわゆる「映え」になりがちです。

カメラの本来の目的は「情報の伝達」と「記録」にあると改めて思い返し、自分が伝えたい情報伝達と風景の記録という本来的な写真展を目指しました。ニュートラルな表現という抽象的な言葉になりますが、「普通」の風景をカメラならではの表現で捉えました。

また、WEBサイトやSNSが中心の現代では、写真を紙媒体として印刷するということが最近では少なくなりました。今回は久しぶりに印刷をしまして、改めて紙媒体の訴求力を確認しました。WEB上で表現できる大きさはほとんどがA4サイズ以下の画面。

今回の写真展では最大でA1ポスターサイズ(594×841mm)の大きさで見ることができます。改めて、写真は紙媒体が原点であると感じました。

1週目を終えて来場者100名を超えまして、様々な反響をいただいております。
まだまだ2週目は10月13日までですので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。

ABOUT ME
あっさんぷらーじゅ合同会社
代表 金子竜得
1992年生まれ・石川県出身 / フランス・ボルドー留学を機に出逢ったラベンダー農家「ブルーダルジャン」と意気投合し、輸入を決意する。日本販売元として起業し、「ラベンダー農家」と南フランス文化を伝える。 アート・旅行・オーディオ・カメラが趣味。