震災から1ヶ月。2024.02.01よりオンラインストアを再開しました。

【社長日誌】フランス滞在2ヶ月目。香水の都グラースで、フランス流ビジネスの学び

早いものでフランス滞在も2ヶ月が経とうとしています。

この1ヶ月は能登半島地震に始まりまして、手続きに追われていたような気がします。未だ復興への道のりは見えないものの、弊社でもクラファンを開始しまして、2月1日時点でお陰様をもちまして120万円を突破しました。引き続き、春ごろまでを目処に募集を続けております。

そして、店舗に倒壊の危険性がないことが分かりまして、1月末より店舗営業を部分的に再開しました。当面の間はカフェメニューは一部提供可能なドリンクのみ、復興特別価格にてご案内しております。お近くにお越しの際はお立ち寄り頂けますと幸いです。

さて、こちらフランスの様子、近況をお知らせします。

香水の都グラースと新しいものを生み出す力

フランスは決して歴史にあぐらをかいているわけではない。

念願の「世界の香水の都、グラース」に来て、思ったことです。香りがお好きな方や南フランスに詳しい方ならご存知の「グラース」という小さな街。現在流通しているフランス産香水の70%以上が5万人程度の小さな街で生産されています。それは、世界中の香水の大多数がここで生産されていることを意味します。

200年以上に渡って、世界中の香りの伝統と流行を発信してきた街こそ、グラースです。10年間ずっと行きたかった街に、ようやく来れました。しかも、観光でなくお仕事で来れるというのは本当に嬉しい出来事です。

かの有名なシャネルのNo.5もここで誕生し、グラース世界香水博物館には初期オリジナルのものが展示されています。その他の有名な香水ブティックが軒を連ねています。

南フランス・グラースの高台から見下ろすと、18世紀に整えられたグラースの街並みを一望できました。

フランスという国は、歴史が一つの巨大コンテンツになっていて、街並みや文化から歴史を直に感じ取ることができます。香水ブランドは工房の見学を受け入れたり、自社博物館を作ったり、歴史が街全体の観光やビジネスにも活用されていることに感心します。

日本も似たようなところがありますが、街並みだけは災害の多い日本では同じようにはなかなか出来ません。伊勢神宮の遷宮然り、京都や奈良の遷都然り、日本は新しいものを上手に取り入れることで発展して来ました。しかし、このようなフランスの景色を見る度に、最近の日本は必要なものまで失っているような気がしてなりません。

今回、グラースで訪れたのは、巨大香料会社が主宰するスタートアップ起業家が集まるレジデンス。つまり、アクセラレーター施設です。

十数件の新進気鋭の起業家がここを拠点に活動している。ジャンルは様々ですが、唯一共通するものは「ナチュラル – 自然」に関するプロダクトやサービスを開発している点です。南フランス・グラースならではのテーマだと感じました。

伝統ある香水ブランドだけでなく、こうして日々新しいブランドが生まれているのも面白い点です。それも都会から随分離れた人口5万人ほどの小さな田舎町に、です。

偶然、新しく参画した起業家の新商品デモンストレーションを体験することができました。商品詳細はお伝えできませんが、伝統素材と新素材を融合させたエコロジーなハンドソープでした。この商品はまだ生まれたばかりですが、数年後にはフランス中で販売されているかもしれません。

今回の能登地震でも断水による「公衆衛生の悪化」が問題になりましたが、それに通ずるようなプロダクトに思わず感心しました。

そのような新しいブランドが日々アイディアを研鑽している場所に来れたというのは、非常に良い刺激になりました。すなわち、歴史ある大企業がその資本を基に新しい起業家が興すイノベーションに投資する仕組みの一端を垣間見ることができました。

新旧が融合した街、カンヌ

翌日、映画祭で有名なカンヌを訪れました。グラースとカンヌは隣町で電車で20分ほどの場所。言わずと知れたカンヌ国際映画祭やカジノ、ヨットハーバーなど世界の富裕層が年間を通して訪れる、スーパーセレブな街です。

しかし、一歩、旧市街の中へ足を踏み入れると優雅で豪奢な世界とは違う、ローカルで小さな漁村の痕跡を辿ることができます。

17世紀に建築された丘の上にあるノートルダム教会からカンヌを一望。中央に小さな漁船が並んでいますが、右側や中央奥には漁船の何十倍もある大きなメガヨット、クルーザーが並んでいます。

丘の上に立つ、エスペランス・ノートルダム教会。時計台が象徴的で美しい鐘の音が響きます。冬にはこんな感じで静かな場所ですが、夏には多くの観光客で賑わうでしょう。

丘から下りて、街の中の商店街へ繰り出すとカンヌの新しい街並みを見ることができます。高級ブティックにスーパーカーが横付けされて、ビーチにカジノに豪華なホテルが並びます。これぞリゾート地であると思わせてくれる高揚感があります。

同じ市内でも古い街並みを保護するエリアと新しく開発するエリアが分けられているのもフランスの街並みの特徴です。それに伴う問題も沢山ありますが、なんだかんだで美しい街並みを守るためなら…と諦め半分なのもフランス人の国民性でしょうか。(古い建物にエレベーターとエアコンが未だ無いのが信じられません…)

「意志」×「伝える力」×「信用」=実現速度

フランスにはお世辞も建前もありません。やりたいことがあれば、やりたいと言わない限り、向こうからやってくることはありません。逆に言えば、意思のない人には割と冷たいのもフランスならではかも(笑)

自分の意志、目指すものは事細かに伝わるまで喋り続けるしかない。そして、やっていること、やろうとしていることを伝えると何かが起きます。いや、必ず起きる訳ではありませんが、少なくとも日本での確率よりは遥かに高いと感じます。議論が大好きで、人脈(コネ)文化なのがその証拠です。もちろん就活(新卒採用)もありません。

実現に必要なものは、アイディアの言語化能力。もちろん異国の地ですのでさらに難易度は上がってフランス語も必要になります。(まだまだ未熟なフランス語ですが…)実際に、5年かけて日本で出来なかったことが渡仏してわずか1ヶ月にして叶った訳ですから…その速度たるや恐るべし…

今、春が待ち遠しいとさえ思えます。
公式アナウンスまでしばらくお待ちください。

ABOUT ME
あっさんぷらーじゅ合同会社
代表 金子竜得
1992年生まれ・石川県出身 / フランス・ボルドー留学を機に出逢ったラベンダー農家「ブルーダルジャン」と意気投合し、輸入を決意する。日本販売元として起業し、「ラベンダー農家」と南フランス文化を伝える。 アート・旅行・オーディオ・カメラが趣味。